結論から先に言うと、上場しようと思った時こそがIPOコンサル最大の活用の場です。普通は、その際に、銀行、証券会社、監査法人、税理士、VC(ベンチャーキャピタル)などに相談するケースがほとんどです。しかし、これらの人たちは、会社の都合や利害(上場させたい、株を買いたい)がありますから、本音は言いません。
そして何より、この人たちの中に、「自分の会社を上場させた経営者」は、まずいません。また、会社の従業員として上場実務に携わり苦労した人もほとんどいません。ですから、相談しても「真実」がわからないのです。
例えば、上場準備のスタートである「資本政策」の立案。 これは会社の株を上場させるまでのシナリオです。これが上場作戦の要といってもいいくらい重要なものです。これを証券会社の人とVCの人に別々に作ってもらうと、全く別物ができあがってきます。とても同じ会社のことを研究して作ったとは思えないくらい違う場合もあります。
結局これはそれぞれの「利害」が違うからです。証券会社はできるだけシビアに、VCは景気のいいことを言って経営者をその気にさせる、など思惑が違うのです。
したがって、IPOコンサルを活用するなら、独立系(銀行、証券会社、VCのひも付きでない)で実際に上場経験のあるスタッフを有する会社を選択し、資本政策立案の段階から中立的なアドバイスをもらうことです。
そして、上場準備が本格的に進んできて、主幹事証券会社のコンサルが入り、上場経験者を採用できたら、むしろIPOコンサルは不要です(苦手分野の補充のためには活用できます)。
普通は、最初の段階で、証券会社やVCの言うことを聞いて、うまく進まずにコンサルに相談するケースが多いのが実態です。 VCの甘い言葉に乗せられて、かなり多額の出資を受け入れ、それを運転資金に使ってしまって、利益を生むものへの投資に回せずに、大株主になったVCの様々な意見や要求を聞くしかない状態に追い込まれていくケースも多々あります。
これらを防止するためにも、最初の段階で中立的なコンサルタントに相談することをお薦めいいたします。
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